雑想 「朗読 地獄の道化師」

　唐突に、眠りの海から意識が引き上げられた。頭の上で携帯電話のアラームが職務を遂行している。

　休日だというのに働かせてしまった事に若干の罪悪感を抱きつつ、強い意志でベッドから起き上がる。

　時刻は１１時５０分。約束の時間は１３時過ぎだったか…。

　今日はいつもの適当な休日とは違う。なぜなら今日は親愛なる弟分、ケータの『大切な女性』スマイルの誕生日だからだ。

　昨日の夜、彼は何を思ったのか私に、仕事を休めない自分の代わりに彼女の誕生日を祝ってやってほしいと申し出た。

　正直、私は困惑した。知り合ってまだ３日とたっていない、しかも彼のかつての恋人の大切な日を、一生に一度しかないその時を祝ってあげるのが私なんかで本当にいいのか、と。

　だが他ならぬ彼の願いであり、かつスマイル本人の希望ならばと、私は快諾したのだった。

　……とは言うものの。

　普段どおりの、Ｔシャツにジーパン姿の自分を見直してふと気づく。これはいけない。

　慌ててクローゼットをかき回すと、出てきた。３年前に着たきりになっていたスーツが。

　それに合ったワイシャツを探すのにまたも若干の時間をとられ、ロングコートを羽織り、肝心の帽子を探す段階で、先折れ帽を購入していなかったことを強く悔やみつつ、英国紳士のような先の丸い帽子を乗せる。

　自転車で約束の店に向かう途中で立ち寄ったコンビニ。そこでまたしても自らの失敗に気づく。

　ひげを剃っていなかったのだ。咄嗟にかみそりを買い、洗面台のないトイレで強引にひげを剃る。

　そして最も重要な、彼女へのプレゼントを買いに向かう。これが最も悩みどころだった。

　出会ってまだ数日の女性に贈るもので最も適切なものはなにか。何しろ私は彼女の趣味をほとんど知らない。

　唯一思い出せた記憶、彼女が携帯電話に付けていたキャラクターストラップをヒントに、同じキャラクターの壁掛け時計を購入。店員が包装に手間取っている間に向かいの花屋で小さな花束を用意してもらい、ようやく全ての準備が完了。

　専門店街を出て、約束の店までの道は昼時のせいか大勢の人でにぎわっていた。その人ごみを掻き分けて進む、英国紳士風の服装で大きな袋とむき出しの花束を持っている自らの姿を極力想像しないように、早足で店に飛び込む。

　開店直後のせいで、店内には彼女のほかに客の姿はなかった。

　後ろ手に隠していた花束を渡すと、花々よりもはるかに美しい笑顔を咲かせる彼女。スマイルの名は伊達ではないことを思い知る。

　プレゼントを渡したところで、かわいらしい店員が彼女の為のケーキを運んできてくれた。バーズデイソングを歌い、拍手で迎えるささやかな誕生日。彼女は十分満足な様子だった。

　私は彼女を楽しませようと半ば強引に話しかけ続ける。その全てを、いやな顔ひとつ浮かべず聞いてくれるスマイル。

　当然脳裏に浮かぶ疑問。「なぜ、これほどかわいらしい女性とケータは別れなければならなかったのか？」

　だが、そこは容易に触れてはいけない事は明白。それでも、何かを言わずにおれない気持ちになったのは彼女の笑顔がそうさせたのか。

　気がつくと、私は彼女にいつになく真面目な話をしていた。

　「俺はね、恋人同士とか、友達だとかいう関係よりも、お互いに特別でかけがえのない者同士でずっといられることが大事だとおもうんだよ。ケータにとって、スマイルはそんな存在であってほしいと俺は思うし、むしろ君しかいないって言い切れるんだ」

　後々考えると、何の根拠も説得力もない隙間だらけの話。なのに彼女は嬉しそうに頷いてくれた。

　そして彼女は大きな荷物を抱えて仕事に向かい、無事任務を終えた私は久々の満足感に包まれながら煙草に火をつけた。

 

　しかし、その数時間後。物語は予期せぬ展開をみせる。遅れてきたケータの、たった一言によって。

 

　「あの、ケンタロウさん。俺昨日彼女とヨリ戻したんで」

 

 

 

 

 

　私はその時、気づかされてしまった。己が道化を演じていたことに。

　なぜに、道化の服は赤いのか。それは人を楽しませるために、己の血潮を流すからだ。

　なぜに、道化の服は赤いのか。それは憎しみを内に秘め、人を笑わせるからだ。

 

　忘れるな。

雑想 「はっちゃけぶっちゃけお嬢様」

　毎週恒例お休みです。はい、お昼過ぎからいました別邸に。

　夜になって、おなかがすいたのでカレーでも食べようかと、一度お出かけを考えた矢先にケータから電話が。

 

「今日スマイルを連れてくんで、セバスチャン行きませんか？」

　……正直悩みましたね一瞬。なにせ執事喫茶は男が行くと結構肩がこる。でも紅茶とスコーンに強烈な魅力を感じてご一緒することに。

　スマイルちゃん、今日もかわいかったです。メイドさん以外の女の子は久しぶりなので新鮮（キャッキャ）。

　で、セバスのVIPルームに初めて入ったよ。すっごいソファとか豪華。でもテーブルとかちっちゃいし低すぎ。

　あとセバスの接客レベル低すぎ。ケータ仕事人の目しすぎ。

　

　でも何よりも面白かったのは、やっぱりスマイルちゃん。

　いきなりスコーンをクリームが入ってる器に突っ込もうとするわ、フォークで突き刺してかじりつくわ、ボロッと落としちゃうわ、皿持って食べるわで天然キャラ炸裂！

　学生時代はラクロスやってたらしいし、超体育会系だし、「～っすよねー」ってサバサバしたしゃべり方するし。

 

　昨日から何かに似てる、似てるとは思ってたけど今日、やっとそれがわかりました。

 

　彼女は、「二人はプリキュア」のブラックを地でいいっていると！

 

　

　是非、個人的にお友達になってほしいもんです。

 

　明日は誕生日らしく、カフェに早くお帰りするそうです。精一杯祝ってあげようと思います。

雑想 「全ては大魔王のお導き？」

　やっぱりね、人間真面目に生きてると結構いいことあるもんすよ。いや、全然真面目じゃないけどさ。

　こないだ買ったばかりのドラゴンボールTシャツ、紫地に大きく『魔』って書いてるピッコロ大魔王モデルのやつを着ていったことが幸運を呼び込んだと私は強く信じたい！

　まず、今日の仕事場のスタッフが最高に働きやすかった。それに悩みも聞いてもらえたし励ましてももらえた。

　次に２０時までと指定していたのにあさり１９時で帰れた！　別邸のBarにだけ帰るつもりがカフェにまで行けてかなり幸せ。

　そしてここからが面白い！　

　

　２４時からカラオケ大会だったわけですよ。で、エントリーする曲を幾つか選んでリクエストカードに書いてあったんですが、うっかりケータのやつが順番をバラバラにしやがったんです。

ちなみに

１、「LOVE　LOVE　LOVE」　　ドリカム

２、「めざせ天下一」　ドラゴンボールの劇中歌

３、「雪が降る町」　ユニコーン

４、「チャームポイントは泣きボクロ」　テニプリのキャラソン

 

と分けてあって、４はネタウタというか発声練習のつもりで選んだのでそこから行こうと思ったら間違ってドリカムが入ってしまい、イヤなプレッシャーをうけつつノリノリでテニプリ歌ったら……

 

　結果、９４点。

 

　予想外の高得点にかなりいやな予感を感じつつも、本命の「めざせ天下一」を歌ったらなんと９２点と低い結果に。

　結局、優勝できたものの。

　

　よりによって、テニプリでだなんて！　しかもかなり恥ずかしい歌だし！

 

　と、まあ幸運続きではあったものの大魔王のおかげで妙な伝説を打ち立てたケンタロウでした。

雑想 「男なら、やってやれ！」

　今回は、きわどかった。

　まじで私今、仕事運最高に悪いと思います。

　楽な仕事だとおもってたんすよ、小さい部屋だし人数も少ないし。

　だってまさか、二日も続けていろんな部屋の準備に回されるなんて誰も思わないじゃないですか、しかも平日に。

　そんなわけで今日も終わったのが２３時。仕事場が心斎橋だったので地下鉄で３０分、コンビニ寄ってお帰りしたら残り２０分。

　ボジョレーのんで悪魔風メイドとダーツもやったさ！　そして負けたさ！

　別邸のゴットファーザーと濃い話も楽しんださ。

　そして２０分は一瞬で過ぎて家に帰る途中、弟分ケータから電話が。

 

 

　「兄貴、お帰り二ヶ月連続記録達成おめでとうございやす！」

 

 

 

 

 

 

　……わ、忘れてたそうだった！！！！！！！！！！！

 

 

　あまりにハードスケジュールすぎて気にも留めてなかったが、確かにそのとおり。

　先月末の一ヶ月達成もハロウィンとルリちゃん卒業で忘れ去られていたので、今回もうっかり忘れ去ってしまうところだった。

 

　というわけで、褒美の品お待ちしております。もう、飴玉一個でもいいからさ。ほんと。それだけで、いい。

雑想 「おぼっちゃまくんならオールオッケー」

　今日はね、普通に定時で帰れちゃいました。私の誓いが天に通じたのだと確信しとります（笑）。

　で、まあ別邸に向かう途中に安売りスーパーが見えたので思い立って立ち寄り、愛しい超機動メイドの為に牛ブロック赤身を購入。エレベーターが開くなり手渡し。
　くれぐれも、ナマでは食べないでねェーー。

　あとはまあいつもどおりカラオケ歌ったりダーツ投げたりLIIT飲んだりしてたんですが、途中なぜかボジョレーを定連達が連続注文。
「ナイス、ボジョレー！」の掛け声と共に乾杯。またも謎のテンションに。

　で、後半になるにつれご主人様も次々とお出かけになり、私はメイド二人と話してたんですが、先日ファミレスで「フェ○○オ」と叫んだ勇者が後ろにいてどうも気にかかる。

　この男は仲間がいるにもかかわらず、別邸に来るとみんなから離れた席に一人ですわり、あまりしゃべることもなくただニヤニヤしているだけ。

　先日私達が仲間内で盛り上がっていたときに、あるメイドさんは「仲間にいれてあげないとかわいそうです」と彼を心配していたんですが、イヤイヤ彼は好きであそこにいるわけですから！　とツッコミ。

　で、なんとなく彼と話しているうちに超機動メイドが「あの人はある意味癒し系だ。あの笑顔だけでなんでも許せそう」的な事を言ったので、私も他のメイドたちも納得。

　確かに彼なら多少エロい事を言っても笑顔でごまかせそう。ぶっちゃけ、「おっぱい揉ませて」なんて言っても彼には超機動ビンタもとばないに違いない。

　そこで私はようやく悟ったのです。彼の一連の行動は己のキャラを把握したうえでの行動だったのだと。

 

 

　くそ！　なんてうらやましいエロガエルだ！　

 

　今度顔をみたらとりあえず、拝んでおきます。