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最近、ホテルでのお仕事は立食パーティーが多いのです。
で、今日は豪華なことに目の前でシェフがステーキを焼いてくれるスタイルだったので、スタッフみんなでよだれをダラダラたらしつつ(キタナイナァ)働いていたわけですが。
ああいうのって、意外とみんな皿に盛ってものこすんですよね。もったいない!
なんで、洗い場に引っ込んだ時にこっそり一口いただいてみました。
モグモグ、モグモグ…………ん? なんか、これ、思ってたのと違うな。
モグ、なんか、モグモグ、安っぽい味がするぞ。モグモグモグ……。
そこに後輩がやってきたので、とりあえず食わせてみると。
「なんかこれ、マクドのナゲットの味しますね」
……そうだ! これソースがマクドのバーベキューソースとおんなじ味なんだ!
ホテルが出している高級ヴュッフェの、衝撃的な事実をしってしまった今日でした。
お久しぶりです。ちゃんと生きてますよ。
最近、少しずつ生活に、というか日常を過ごす気持ちにゆとりがもてるようになってきた気がします。
今日はすごくたくさん、家族と話をしました。
本町で買い物して、家族でお茶して、なんばまで歩いて映画見て、夜はお芝居を観にいくつもりだったので少し時間があいたので、本屋でふだん読まない本を買おうと江國香織の文庫を買って、コーヒーでも飲みながら喫茶店で読もうと思ったんですが、道頓堀にベンチがたくさんあったので、寒さこらえて読んでました。煙草片手に。
お芝居終わって家に帰ると母親の友人が珍しく遊びに来てて、さっきまで話してたんですが今は部屋に戻って、バーボン片手にこれを書いています。
ブログかこう、なんて気持ちになれたのも久々のこと。
深夜、酒と煙草をお供に小説をよみふける。そんな日々を送れたらいいかな、と今思ってます。
何日こんな気持ちがつづくんだろうなあ。
高校生の頃、一番のめりこんだのが『小演劇』の世界でした。
あれは麻薬のようなもので、一度舞台の上でスポットライトを浴び、人々の拍手を受けると病みつきになってしまい、抜け出せなくなってしまいます(笑)。
幸いなことに私は高校の外で、大学生の方々が主催するサークルに参加させていただくことができ、学業も家族もそっちのけで狂ったように頭のてっぺんまでどっぷりと浸かっていきました。
高校を卒業し、仕事もそこそこに演劇にとりくんだおかげで家族と衝突を繰り返し、一人暮らしを始めて、ますます私の生活は乱れていきました。
でも、私はそのときただ遊んでいただけで、本気で演劇に取り組む人々を愚弄するような行為を続けていたにすぎなかったんですね。
自らプロデュースする芝居を公演しました。なんとか乗り切れたものの、多大なる迷惑をたくさんの方々におかけする結果となってしまいました。
その教訓を生かせぬままに二回目を企画しました。が、ついてきてくれる人はいませんでした。
演劇は一人でするものではない。一人の我がままで人を振り回すことではない。
気づいた時は手遅れでした。当時の私には多額の経費がかかっている状態で公演は中止、私は関西小演劇界からの追放を、師匠より言い渡されました。
5年余りが経ちました。去年から始めた職場で、偶然昔共に舞台を踏んでいただいた先輩に再会し、その方のお芝居を観にいくようになりました。
そして、今回先輩が出演するお芝居は、私の師匠が手がけているものでした。
勇気を出して、改めて謝罪する意味を込めて私は劇場のある施設に足を踏み入れました。実に5年ぶりのことでした。
再開した師匠は、開場前の時間を利用して忙しそうにごはんをたべていました。
「お久しぶりです、ご無沙汰しております」
そう言葉にするのがやっとでした。それからすこしあって、師匠は食堂の隣の椅子を勧めてくれました。
「お前、随分雰囲気がおちついたな」
「あの時があまりに滅茶苦茶すぎたんやと思ってます」
「……あんな形にしかしてやれんでごめんな」
「師匠が謝ることないです、すみませんでした」
そんなやりとりがあって、やがて。
「僕、師匠の言いつけどおりにこの5年、ずっと芸事には手を出さずにきました。辛かったです」
思わず、ストレートに本心をぶつけてしまった後、師匠は本当に何とはなしに、言いました。
「……でもなあ、もうええぞ。すきなことやり」
……嬉しかったです、すごく。でもね、師匠……。
ただそういわれても、今更何をやっていいのか、私にはわからないですよぉ。
ただ、願わくば。もう一度師匠の下で勉強しなおさせてほしいんですけど……。
やっぱり、そこまで甘えちゃいけませんかね、今更。
気持ちはとりあえず、これですっきりしましたが。……なんかまた、新しい澱がたまっていきそうですよ。
ごめんね。正直に言うと、俺は君の顔も今では忘れてしまったんだ。
だって、実際に会ったことは一度もなかったんだから。
それでも、激しい雨が傘をうつような時には、あの日の事を思い出すよ。
それくらいしか、俺にはしてやれない。ごめんね……。
不意にユニフォームのポケットに入れてた携帯電話が振動して、俺は慌てて取り出し画面をみた。
表示された名前は楓だった。無意識にため息が漏れる。
この時間は俺がバイト中な事くらい知ってるだろうに。
なにせ彼女は昨日ここに顔を出したばかりだったから。
周囲を見回せば、スーパーの二階にある小さな百円均一コーナーに客の姿はない。少し屈んでレジの陰で通話すれば防犯カメラにも映らない。
でも、俺はあえて電話にはでなかった。勤務中だからという責任感からではない。単純に煩わしかったのだ。
すぐに振動はおさまった。が、続けて何度も電話は振動を繰り返す。それほどの急用なのだろうか?
気にはなったが、とりあえず俺は無視を続けた。
最後の振動が止まって、その後の数分間俺はなぜか得体の知れない不安を感じたのを今でも覚えている。
それから30分ほどレジに立っていると、今度は楓本人が店に現れて俺はかなり驚いた。
走ってきたらしく、息を切らせながら楓は俺をきつく睨む。
「なんで電話に出えへんのよ! 何回もかけたのに!!」
反射的に、勤務中なのに電話に出られるわけがないといいかけたが懸命にこらえた。分かっている、楓はいつもそういう女だ。
「ごめん、なんか急用やったんか?」
「……水口君て、あんたの親友やったやんな。電話番号教えてくれる?」
楓からその名前が出るのは意外だった。確かに水口は俺の幼稚園からの親友だが、楓との接点はなかったはずだからだ。
理由を尋ねようと口を開いた時、突然険しかった楓の表情が一瞬で崩れ、太い涙の筋が頬をつたい始めた。
なにかただ事でないことはその雰囲気で十分感じ取れた。
「あのな、あのな……昨日の夜、バイト仲間の福美さんが死んだんや……」
その後の話を要約すると、福美さんというのは楓がバイトしているスーパーの店員で、プライベートでも一緒に遊ぶほど仲がよかったらしい。彼女はそのスーパーに以前勤めていた水口にひそかに思いを寄せていたのだが、結局打ち明けられないまま彼は別のスーパーに正社員として移っていってしまった。
楓は福美が今でも水口を想い続けている事を聞いていたらしい。
福美は病気のせいで体が大きく、心臓に疾患を持っていた。それでも楓達と深夜までカラオケに出かけ、その席でなれない酒をよく飲んだらしい。よほど楽しかったのだろう、足元がおぼつかなくなるまで酔った彼女はトイレに出かけると言って部屋を出て行ったまま、一時間以上も帰ってこなかった。心配した楓が様子を見に行ったとき、彼女は外のソファーの上に横たわったまますでに冷たくなっていたという。
話終え、後は嗚咽を繰り返すばかりの楓の姿を、俺はかける言葉も見つからずにただ見つめていた。
「…それでな、福美がずっと好きやった水口君に、せめて彼女のお通夜にでも来てほしいと思って、連絡しようと…」
「…わかった、ほな俺がこの後あいつに電話しとくから、俺の連絡待っててくれるか」
「うん、私、福美のそばにいてあげなあかん…」
赤い目を腫らし、力ない足取りで楓は店を出て行った。
正直、俺は迷っていた。
楓の気持ちは分かるが、水口は福美さんの想いなど知らなかっただろうし、彼女も伝えるつもりはなかったはずだ。
それを、本人が亡くなってから周囲の人間が騒ぎ立てるのは彼女を冒涜することにすらなりはしないかと。
だが結局、楓にせかされて俺は水口に電話をかけた。
「……そっか、俺、全然そんなん知らんかったなー」
水口の声には、電話口からでも感じ取れるほど動揺と困惑が含まれていた。
俺はあえて深く係わることは避けようと、福美さんの通夜の日時と場所だけを告げて電話を切ろうとした。
「待ってくれ! いや、もちろん通夜にはいってやりたいねんけど、俺…いきなり言われてもそんな、一人じゃよう行けんわ。……悪いんやけど、一緒に行ってくれへんか?」
水口の気持ちを考えれば断るわけにもいかず、結局翌日、俺達はともに福美さんの通夜に出かけることとなった。
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一年ぶりの再会となったその日、水口の服装は当然ながら喪服だった。
明らかに着慣れていない感じの真新しい喪服だったが、生憎その日は朝から続く雨のお陰でズボンや上着の裾はすでに雨水を吸って大きなシミを作っていた。
同じく喪服で待機していた俺は、水口と再会を果たすと短い挨拶を交わした後に雨の夜道を無言で歩き始めた。
とても世間話をする雰囲気でもなく、そのまま二人は一言もないまま通夜の会場となっている、幼稚園横の小さな集会場に
やってきた。
二人ともその日の仕事が済んでから来たので時間的にはかなり遅く、その為斎場にはわずかな親族の姿しか残ってはいない。
楓の姿もないことを確認して、俺は内心安堵した。
彼女がいれば、水口のことを「福美さんの想い人だったんですよ」などと親族に紹介するであろうことは容易に想像できたからだ。
入り口につくと、いくらか生気の抜けた感じの疲れた婦人が
俺達を迎えてくれた。おそらくこの人が母親なのだろう。
霊前に立ち、うろ覚えの礼儀にのっとって焼香を済ませる。と、遺影が目に入り俺は初めて福美さんの顔を知った。
お世辞にもかわいいとも美人ともいえない、ふくよかな顔の
見知らぬ女性が映っていた。その表情に浮かんでいるのが不安なのか不満なのか、俺にははっきり分からない。
なんとなく、早々に遺影に背を向けて俺は斎場の外に出た。
水口もすぐ後に続く。最後に親族に頭を下げて傘を開く。
おそらく、親族には俺達のことを彼女の友達の一人だという印象しか残らないだろう。
たとえ後日、楓が水口の事を話したとして誰が水口なのか判別はつかないはずだ。
これでいいんだ、役目は果たした。完璧に。
……そう、おもっていたのに。
「……どうした? はよ帰ろうや」
少し俺の先に立っている水口が、俺を振り返って立っている。
途端に雨脚が強くなった。バタバタバタバタと、激しい雨音が周囲に満ちて他の音が聞こえなくなるくらい。
たまらず、両手で強く傘を握り締めている水口の、その隣に……
福美さんが、立っていた。
水口は気づいていないらしかったが、俺がよほど驚いた表情をしていたのだろう、こっちを見つめて何か叫んでいる。
が、雨音にかき消されてその声は届かない。
彼女は遺影と同じ姿をして、立っている。長い髪も着ている服も、雨にさらされてぼたぼたと水を垂らしている。やはり、不満とも不安ともつかない表情を浮かべたまま。
ただ、黒い瞳だけがしっかりとした存在感をもって、俺を見つめていた。
俺は、動けなくなっていた。目をそらしたくても、漆黒で底の知れない二つの穴に意識が吸い込まれていくような錯覚が次第に俺の感覚を奪っていく。
全身を包む猛烈な寒気は、この雨のせいだけではないだろう。
ゆっくりと、福美さんの手が水口の肩にかかった。
その瞬間、とっさに俺は呟いていた。
「……あかん、あかんて……」
突然、彼女の姿が雨に吸い込まれるように消えた。
同時に、耳に激しい雨音と肌に当たる水の感覚が戻った。
「どないしてん? なんでおまえ…」
駆け寄る水口に言われて、ふと頬に触れると俺は泣いていた。涙はとめどなく流れ落ち、頬から地面に落ちて雨に混じり消えていく。
「……いや、なんでもないんや」
俺は何度問われても水口にはそのことを話さなかった。
ただその日の別れ際、俺はどうしても聞きたくて、ずっと我慢していた質問をついに口にした。
「なあ、お前福美さんのこと、どう思ってたんや?」
水口は答える時、本当に困り果てた表情をしていた。
「どうって、なあ……。正直、なんとも……」
その日の夜遅くに、バイトを終えた楓が家を訪ねてきた。
彼女はしきりに水口の福美さんへの気持ちを知りたがったが、俺は結局言わなかったし、水口の連絡先も教えなかった。
それでも楓は泣きじゃくりながら何度もお礼を述べ、彼女の思い出をよく語って聞かせた。俺はそれを黙って聞いた。
「私、時々福美の家に行こうと思う。ちゃんと供養してあげたいし、家族の人にも彼女の話いろいろ聞かせてあげたいから」
「……ああ、それはええな。行ってあげたらいいよ」
彼女は本当にそれを望むだろうか。その時、俺はふとそう考えていた。
あれからもう5年も経つが、あの日の思い出が俺の記憶から消えることはないだろう。
また水口とは疎遠になってしまったが、噂では職場の女性と近々結婚する予定らしい。
このあいだ、偶然楓と駅で出会った。
自然と、駅から家まで一緒に帰ることになって、俺達はなんでもない話をしながらゆっくりと歩いた。
強い雨が降る日だった。だからだろうか、俺が何気なしにあんな言葉をかけたのは。
「そういや、楓。福美さんのとこには、まだ行ってるのか?」
「福美? ……ああ、なんで? あの子死んだやんか」
言って、しばらくしてから彼女は思い出したらしい。
短く、「あ」と呟き、俯いて傘の陰に表情を隠す。
そして、それから家につくまでの間、俺達が言葉を交わすことはなかった。
このブログを始めてから長らく、忘れていましたが……。
私は『作家志望』なのでしたね。
なので、腕が鈍らないよう時々この場をお借りして短編を発表させていただきます。
とりあえず明日、PCの中に眠ってた去年書いた作品を掲載しますね。
読んだあと、よかったら感想とかいただけるとうれしいです。
ケンタロウは、褒められるとのびる子です(テヘ)
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妄想癖を活かしてなんとか仕事にできないものかとライターを名乗り始める。
未だ芽は出ず。とにかく人との交流を求めて遊びまわる。
趣味は人生。座右の銘は「終わりよければすべて良し」。未だ人生の終わりはみえない。